涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
ポケットからスマホを取り出して、ブラウザを開く。
"好きな人の忘れ方"
なんて検索をかけてみる。
一番上に出てきたのは、時間、で。
時間が経てば忘れられる、諦められるなんて書いてあった。
「…そんなの嘘だよ。」
ぽろりと落ちた本音。
時間はあたしたちに深く傷を負わせてきただけだ。
忘れることも諦めることも出来ず、ただ相手を想う日々を、何年も過ごしてきたんだ。
日が経つほど、怜を好きになった。
時間が過ぎるほど、諦められなくなっていった。
子供の恋?
ふざけないで。
あたしはあたしなりに精一杯好きでいるんだ。
「簡単に諦められる恋なら…こんなに苦しくないし…」
ギューっと締め付けられる胸にはぁ、とため息をつき、ソファに丸くなる。