涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「ッ…そうだよ!!
キスしてきたり、なんなんだよ、まじで。」
「それは…」
好き、だからで。
伝えられるなら今だ、と心の何処かが言った気がした。
「あの、ちひ…」
「好きなやつに、そんなことされて期待すんなとか無理な話すぎるから!!」
「…え?」
あたしの言葉が聞こえてないかのように、ガーッと話す智尋が、歩みを止める。
あたしは、智尋が放ったその言葉を理解するのに時間がかかった。
そして…
「好きなんだよ、馬鹿夏希」
そう呟いたのが、聞こえた。