涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「智尋?」
何度目か分からないくらいその名前を呼ぶと、
「…な、つき、」
やっと小さく反応が返ってきて、ほっと胸をなでおろした。
「ん?」
「嘘じゃない?」
「嘘じゃないよ。」
「俺のこと好き?」
「好きだよ」
智尋の言葉を反復するように答えると、子供みたいに笑う声が聞こえた。
「どしたの?」
「いや…なんか、さ…」
「?」
「両想いってやつ、だよね?」
「そうですね」
「…嬉しい」
耳がほんのり赤くなってて、触ると少し熱を持っていた。