涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
授業の終わりを告げるチャイムがなると、クラスメートたちは、好き好きにグループを作って話を始めた。
それは、あたしだって例外ではないわけで。
「…夏希」
「…み、う」
「…赤点、だった。」
半泣き状態の美羽がテストの答案用紙を持ってあたしの席にやってきて、あたしにそれを見せた。
赤い字で、18点と書かれたテストは紛れもなく美羽の答案用紙。
この高校で、赤点というのは、平均点の半分以下の点数を取った人間のことで。
赤点を取れば、補習や追テストを受けて、進級するために単位を補充したりする。
さっきのテストで平均が57?だっけ。
てことは、赤点のラインは、28.5点。
…美羽は確実に赤点。