涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「だから、いつも勉強しなさいった言ったでしょ。」
それでもやらなかったのは美羽でしょ。と冷たくいうと、目尻に涙を溜めて、
「だって…っ、」
言い訳を開始しようとした。
「いつも言い訳をして、結局赤点取るんだから、しっかり勉強しな。」
「そういう夏希は何点だったのさぁあ」
「ん。」
ずいっと差し出したテスト。
その点数をみた瞬間に、美羽は目をそらした。
「また、トップだったんだね…」
「英語だし。
ていうか、勉強してるし、美羽とちがって。」
「夏希が取れないテストって何…」
「んー…
化学、とか。」
化学だけは、智尋に毎度負けている。
「それって一位取れない科目ってだけ。」
もうなんなんだよ夏希。と美羽は頬を膨らませて、机に突っ伏した。