涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「夏希さ…。」
「ん?」
「本当、幼馴染のこと大切にしてるよね。」
突然言われた言葉に、恥ずかしくなる。
「べ、つに…そんなんじゃ、ない。」
大切にしてるか、と聞かれたら、もちろんそうだ、なんて答えられるわけないじゃないか。
好きな人だから、というずるい考えが裏に隠れてるんだから。
純粋な気もちで、大切にしてるわけじゃないんだ。
「素直じゃないよね、夏希。」
「素直だったら、こんなことになってないよ。」
「ま、」
それもそうか、と興味なさげに空を見上げた秋山君に続いて空を見上げる。