涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
さらさらと注文する智尋を横目に、とりあえず気持ちを落ち着かせた。
「夏希は何がいい?」
「あー…じゃあ、コーヒーで。」
「りょーかい」
話すって決めたんだ。
美羽に背中も押してもらったんだ。
ーー「夏希が、幸せを手放すためなら背中なんて押してあげない。
夏希に幸せになるっていうのなら、背中だって、なんだって押すよ。」
あの人の…。
鞠さんの香水の匂いがしたとして、あたしには関係のないことで。
本人の口から聞かないと意味はない。