涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「…ねえ、智尋」
聞くことは決まってるんだ。
話さなきゃいけないことは、ちゃんと決まってるんだ。
頼んだものが届いたあと、智尋の目を見て、名前を呼ぶ。
「ん?」
優しげなその瞳は、大丈夫だよ。と言っているようで、すごく安心する。
「…こんなこと、あたしが突っ込んでいい話じゃないかも、なんだけどさ。」
「うん。」
「…鞠さん、とは、どう、なの?」
"鞠さん"と名前を出し瞬間、ほんの少し、智尋の目が揺れた気がした。