涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
コーヒーに口を付けて、外を見る。
「…あ」
そこにいたのは、あの子の姿。
「?どうした?」
「…ううん、なんでもない」
幸せそうに笑うあの子、鞠さんの横には、優しそうな男の子が歩いていた。
そんなこと教えたら、悲しそうな顔をする気がして、黙って微笑むことにした。
気になる…と言う顔をしてるのが、すぐにわかって、吹き出しそうになる。
「…怜とね、完璧に終わったんだ」
そんな智尋に、このタイミングでこの話をするのはどうかとは思ったけれど。
幼なじみ、という会話の今ならできる気がした。