涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜



「あたしは、」



コーヒーカップを持つ手を離して、智尋の手を握る。



「なつ、」


「あたしは、この手だけは離したくない。
この手だけは、失いたくない。
…って、そう思ったの。」



頬を真っ赤に染める智尋を見ながら、その想いが確信に変わるのがわかった。

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