涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「頑張ろう」
告げた言葉は、よろしく、でも、お願いします、でもない。
それでもきっと、秋山君には伝わった。
前に進むため、あたしたちは今日から…
「うん。」
付き合い始めました。
付き合おうか、なんて、忘れるための言い訳で。
終わりにしよう、のあたしたちなりの違う言い方で。
…交わることのないお互いの幼なじみへの想いを裏に隠して、最大級の愛の言葉。
付き合おうか。
それは、結局はあの人たちへの愛の言葉でしかない、なんて皮肉な話。
涙なんて、枯れてしまえばいいのにね。