涙恋〜甘えた幼なじみの忘れ方〜
「いってきます!!」
大きな声でそう言って
玄関から出る。
鍵もきっちり
閉まったこと確認して
ちらり、と
横にある怜の家を見る。
あの日から
一度も怜と会話をしていない。
それを望んでいたはずなのに
いまだにキュッと
締め付けられる胸に
ため息をついた。
お互いなんとなく
避けあっていたら
二ヶ月たっていた…という
なんとも微妙な感じ。
鞠さんの話も
怜の話も
秋山君との会話では
タブーな話。
「急がないと。」
怜の家から
視線を外し
駅へ向かった。