手拭い村の奇祭
あ〜、わかった。
ハンカチ落としね。
って、全然ハンカチ落としじゃねーじゃん!
あれも一応、落とされた人は『鬼』だけど、それは遊びでの鬼であって、リアル鬼なんか、誰も求めてねーし!
しかも落とされた人が鬼なんじゃなくて、マジ鬼に追われるって。
あり得ない〜〜。
「何だよ、ここは。もう帰りたい……」
項垂れる僕に、佐馬ノ介は、ずい、と刀を差し出した。
ん?
これって。
「宗士。お前はこれで、あの鬼を斬るのだ」
「はい?」
「わしは、この刀『鬼切丸』の刀守(かたなもり)だ。この村の奇祭を終わらせるために、あの鬼を追っている」
佐馬ノ介が、この刀の……刀守?
「宗士。お前にこの刀を託す。これで鬼を斬って、この奇祭を終わらせるのだ」
「無理」
一切の躊躇いなく即答。
だってそうじゃん?
何言ってんの、佐馬ノ介ってば。
僕は現代に生きる、普通の中学生なの。
古き良き日本のサムライじゃないんだよ。
そりゃ刀は格好良いとか思うけどね。
本物抜いたことなんてないんだ。
ハンカチ落としね。
って、全然ハンカチ落としじゃねーじゃん!
あれも一応、落とされた人は『鬼』だけど、それは遊びでの鬼であって、リアル鬼なんか、誰も求めてねーし!
しかも落とされた人が鬼なんじゃなくて、マジ鬼に追われるって。
あり得ない〜〜。
「何だよ、ここは。もう帰りたい……」
項垂れる僕に、佐馬ノ介は、ずい、と刀を差し出した。
ん?
これって。
「宗士。お前はこれで、あの鬼を斬るのだ」
「はい?」
「わしは、この刀『鬼切丸』の刀守(かたなもり)だ。この村の奇祭を終わらせるために、あの鬼を追っている」
佐馬ノ介が、この刀の……刀守?
「宗士。お前にこの刀を託す。これで鬼を斬って、この奇祭を終わらせるのだ」
「無理」
一切の躊躇いなく即答。
だってそうじゃん?
何言ってんの、佐馬ノ介ってば。
僕は現代に生きる、普通の中学生なの。
古き良き日本のサムライじゃないんだよ。
そりゃ刀は格好良いとか思うけどね。
本物抜いたことなんてないんだ。