胡蝶が舞うそのトキに

地味子


ーーーピピピッ ピピピッ ピピピッ


二つの目覚まし時計が同時に鳴る。

「…うるさい」


バキッというおかしな音と共に時計が止まる。
粉々になって……


「何台買えばいいのさ、時計…」


文句を言いながらも学校へ行く支度を始める。

スカートの丈は膝より少し長め、長い前髪で顔を隠して更に目が小さく見える様に作った眼鏡もかける。

これで地味子の完成。


私がどうしてこんな格好をしているかって?

それは……私が胡蝶だってバレないため。


胡蝶の情報はほとんどないにも等しい。



けど、念には念を、ね…

だって、こんな地味子があの族潰しの胡蝶だなんて誰も思わないでしょ?


いじめとかいうワケのわからないものはあるけど、それ以外はこの格好が1番楽だわ。



「さてと、行きますか」


あの有名な不良校、湘南高校へ…




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