泣き虫ヒーロー。〜泣き顔だって、カッコいい。〜
だから、幼馴染みで良かったと思う。
幼馴染みでこその距離が、これだから。
私の気持ちに気付いてないから、近付ける。
気付かれたら、終わり。
一瞬にして、この関係は終わり――――――――……。
優叶……………。
優叶にこの気持ちを伝えてはダメ。
そんな事は分かってる。
でも、伝えたい。
こんなの矛盾してる。
胸が、苦しい――――――……。
ぐいっ、
ん?
「バカ蒼羅!前見て歩け!」
びっくりした………。
私の目の前には電柱が聳え立っていて、もう少しでぶつかる所だった。
それを、優叶が腕を引っ張って助けてくれた。
「――たくっ、危なっかしいな。」
そう言いつつ、優叶は安心した表情になっていた――――――――……。