いちごキャンディー*

「はぁ……」

入学式から、本当ついてないわ。


めんどくさいな……また、あの視線を浴びなきゃいけないんだから。


ガラガラ……


じーっと見つめられる。


その視線を浴びながら、私は静かに席へと座る。



すると突然、ドアが勢いよく開いて


「おい!朝美、なんで知らない内に消えてんだよ。」


いやいやいや……なぜに、私が責められる立場に?

「だって、そっちは口喧嘩してて、戻るねって言ったのに聞こえてなかった方が悪いんじゃない?」


ふふふ!言い返したー!

と、調子に乗っていたら…。


私の目の前には、柏木の顔があり……


唇には、温かくやわらかい感触があった。
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