いちごキャンディー*
(な……なんで。私だけ)
なんでこんなにも、初対面で入学式というめでたい日に、男の人から二人もキスをされなきゃならないのか。
脳内はぐちゃぐちゃになった。
ファースト、セカンドキスを好きでもない人に奪われ……
頭がいかれるのは、おかしいことではない。
ガンッ
ふいに、屋上の扉が開いた。
「おい!朝美!!」
柏木の声。
「おまえ……
今のやつに、キス…されたのか。」
私の目の前に立つ、柏木の顔がなぜ泣きそうな顔をしているのかが不思議だった。
「……うん」
そう、返事をした瞬間
ギュ
と、強く抱きしめられた。