ルナティック・コンチェルト
『!』
『ガチなのキタ!』
『いっちゃん、無事帰ってきてー(´;ω;`)』
『なんか写ってね?』
『伊月オワタ\(^o^)/』
『GJ』
勝手に盛り上がりやがって。
悪魔よりも何よりも道中にあった「痴漢に注意!」の看板を思い出し、私はその場を離れようとした。
ーーー視界に、何かが映った。
足を止め、振り返ると違和感。
あれは、何?
森の奥、木々を縫って、それほど遠くない距離。
赤く光る、二つの点。
息を飲む。ぞくっ、と背中が震えた。
ーーー何かがいる!
私は一目散に、その場から走って逃げた。