【彼女のヒミツ】
玲はえっと、と少し考えた末、小学生からの付き合いで、高校は別になったが、ほぼ毎日会っていると簡単に説明した。

玲は礼二と中尾を交互に見渡すと

「さっちゃんと―」

あ、いや、「里子ちゃんとは―」と言い直し

「友達ですか」と彼らに訊いた。

中尾は白い歯を見せると「当然」Vサインを見せた。

仲間礼二は困惑な表情を浮かべた末「うん」と首を縦に振った。

目の焦点が定まっていなかった。

里子は黙って俯いていた。

玲は「そうですか」と喜びに満ちた声色でいった。両手で持っている缶の烏龍茶を口に運んだ。

突然里子が「あっ」と口にした。

目線は窓に向いている。

全員が窓外を見ると、雨はすっかり止み、黒い雲の隙間から、光の斜線が地に向かって走っていた。



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