無口な同期とイチャラブ♡オフィス
……なんか。なんか、いいな。
恥ずかしそうに、でも嬉しそうに大きな手で犬のまあるい頭を撫でてる優吾が。
私、すごい好きかも。
これがあのお姉さんより可愛いってのは、なんか可笑しくて笑っちゃうけど。
あーでも、すごく優吾らしい気がする。
「にへへ。優吾、変。この犬、顔まん丸じゃん。ぶさカワだよ。あのお姉さんよりこっちが可愛いなんて怒られちゃうよ」
とぼけ面の犬を優しく撫でる優吾が可笑しくて、なんだか笑いが込み上げてしまう。
笑う私に、優吾はもっと目をフニャリと細めると「へへへ」と一緒になって笑い出した。
馬鹿みたいに笑い合いながら犬を撫で繰りまわしてると
「おーい、風間。これ動かすのちょっと手伝って」
と、奥からデスク部門のリーダーが呼ぶ声が聞こえて、優吾は「はい」と返事をすると、すぐさま駆けて行った。
売り場の奥に優吾の背中が消えていったのを見届けてから、私は腕の中のぬいぐるみと見つめあう。
「おまえ、可愛いんだってさ。良かったね」
ぶさカワな犬のぬいぐるみは、丸っこくって、ちょっと玉こんにゃくに似てる気がして。
私はコッソリともう一度笑った。