無口な同期とイチャラブ♡オフィス
チョコの出鼻をくじかれて、唇を尖らせ拗ねた顔をした私の目の前に、すっと大きな手が差し出される。
パッと顔を上げるとこちらを見て静かに笑っている優吾。
「た…食べる?食べてくれる?塩チョコ!」
「1個ちょうだい」
や、やさしー!!なんなの優吾。もう大好き。超好きなんですけど!
「1個と言わず100個でも!!」
「あっ、そんなには……」
喜び勇んで優吾の手にザバーっとチョコを注ぎ込んでしまった。小袋の中身ほとんどが出てしまったけど、優吾の手が大きいおかげで零れなかった。良かった。
「風間くん、優しーなー。りんの無茶に付き合ってあげるなんて」
前の席の柴木ちゃんが私たちをからかう様な含んだ言い方をする。いいぞ、もっとやれ。
それを聞いた優吾は少し照れたように眉尻を下げて笑いながら、手の平いっぱいのチョコを食べた。