無口な同期とイチャラブ♡オフィス


「わあキレイ!すごい近いね!」


濃紺だった夜空が華やかな色に照らされる。地面に響く大きな音と共に次々咲いていく大輪の花。


「たまやー!かぎやー!……たまやって何?」

「なんだろうね」


花火が落としてくれた明かりに照らされた顔を、ふたり見合わせクスクスと笑う。

そして、笑い声が止んだとき。
お互いを映し合ってる瞳が、緊張に揺れた。


花火が咲く音。散っていく音。それより遥かに大きく聞こえる、自分の胸の音。

――好き。

ときめく胸にその二文字が溢れ返る。


たった二文字なのに。お喋りなはずの口からその音を出すのがこんなに難しいなんて。

30センチだけ私より空に近い顔を見上げて、息が苦しくなる。


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