無口な同期とイチャラブ♡オフィス
「はぁ…」と私らしくない大きな溜息をひとつ捨てたとき。
「お嬢ちゃんおつかれ、いっぱい食ってるか?」
テーブルの横に立った影が軽快に私に話しかけてきた。
「ぎゃー!!出たー!唐沢のオッサン!!」
「出たとは失礼だな。昨日のことまだ怒ってんのか?」
オッサンは相変わらずニマニマしながら、片手に野菜炒め定食のトレーを持ち私を見下ろしている。向かいの席の柴木ちゃんがあからさまに『おお、こいつが噂の…!』と云う目をしてオッサンと私を交互に見ていた。
「そう怒るなって。ほら、これやるから」
オッサンはそう言うと私と柴木ちゃんのトレーの間にバラバラとポケットから出したキャンディーを置いていった。
あ、飴でなんか誤魔化される歳じゃないんだからね!
けれど、むくれてる私を置いてけぼりに
「あ、千疋屋のタフィーだ。美味しそう、私ももらっていいですか?」
「どーぞ、ぞーぞ。こっちのお姉ちゃんは素直で可愛いね」
なんてオッサンと柴木ちゃんは和やかに会話してる。どういう事かこれは。