無口な同期とイチャラブ♡オフィス


「りんももらったら?これ美味しいんだよ」


すっかり美味しいキャンディに釣られた柴木ちゃんは、なんとオッサンの相席を許してしまった。許可を得、堂々と私の隣に座って野菜炒めを食べ始めるオッサン。柴木ちゃん、あなたの牙城はゆるすぎる。

なんかひとりで怒ってるのバカみたいだけど、とりあえず私は黙々と目の前の天津飯を口に運んだ。


「お嬢ちゃんはりんちゃんて云うのか。へー、可愛い名前だね。で、りんちゃんは中華が好きなのかな?」

「違います。この子、玉子が大好きなんですよ」

「あー玉子かあ」

「柴木ちゃん!!」


裏切り者め~。個人情報流しまくりおって~。

私は上目で向かいの柴木ちゃんをギューと睨みつけた。クマが盛り盛りの目で睨まれるのはさぞかし恐かったと思う。


そんな私たちを横から眺めニマニマとしながら

「よし、今度俺が美味いキッシュの食えるキッチンハウスに連れてってやるよ。お詫びに奢るから機嫌直せって、りんちゃん」

オッサンはとんでもない事を言い出した。


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