無口な同期とイチャラブ♡オフィス
オッサン、とち狂っとるのか。
「いらん!たとえキッシュと云えど行くもんか!」
ブンブンと首を横に振った私に、オッサンは余裕綽々に
「チーズのキッシュ美味いんだけどな~。手作りの焼きプリンもあるんだけどな~」
と定食の味噌汁をすすりながら言った。
「行かないったら行かない!」
最後に私は大げさな程そっぽを向いて見せると、そのまま立ち上がり空になったお皿のトレーを持って席から逃げた。
「あーりん待ってよー」
「りんちゃん、またねー」
柴木ちゃんとオッサンの声を背後に残し、私はさっさかとトレーを片付けてから食堂を飛び出した。
図々しいなもう!
人を小バカにしておいて翌日は食事に誘うって、どういう神経してるんだか。なんか新手の商法か何かにさえ思えてきたぞ。
思わず、この怒りを優吾にラインで愚痴っておこうとロッカールームに駆け込みスマホをを手に取ったけど。
「……やっぱやめた」
なんか、また怒ってるって思われたらやだなって。呆れられたらやだなって思っちゃって。
結局、ラインは送れなかった。