無口な同期とイチャラブ♡オフィス
うー。うー。ううう。
柴木ちゃんの言うとおりだー。なんで私は優吾の事ちゃんと1番に考えてないんだろ。結果的にとはいえ、隠し事してるんだろう。
さっきの私の態度、最悪だ。言葉濁した上に『ごめん』だなんて、これっぽっちも誠意がない。『気をつける』だなんて言い方、まるで優吾が束縛してるみたいに聞こえる。
優吾、怒って当然だ。
私、本当に大バカのオタンコナスだー。
洗面所にひとり残った私はポケットから勢い良くスマホを取り出すと、オッサンに強引に登録させられた電話番号をタッチした。
食事の件、やっぱりキッパリ断ろう。例え親子的な感情でもダメですって。彼氏が嫌な気分になるからダメですって。
それから、彼氏にだけ。優吾にだけ事情話していいですかって。じゃないと、優吾に誤解されたまんまになっちゃう。
スマホを強く握りしめながら耳に当てると、数回のコール音が響いてから
『はい、唐沢です。りんちゃんか?』
オッサンの声が聞こえた。