無口な同期とイチャラブ♡オフィス


『りんちゃんから電話くれるとは思わなかったな。どうした?俺に何か用かい?』


電話越しにでも分かるご機嫌なオッサンの声。

……この人、私と喋れるの嬉しいんだなぁ。本当に淋しいんだ。

なんて考えてしまって胸に申し訳なさが過ってしまう。

でも、悪いけど私にはオッサンより優吾の方が大事だから!そう決意しておなかに力を入れて私は喋り出した。


「唐沢さん、ごめん!私やっぱり一緒に食事行けない!本当にごめんなさい!」


絶対どうしたって行けない。無理。そんな強い想いを籠めて言ったにも関わらず

『急いで決めなくていいって。3月までにゆっくり考えて、気が向いたらいつでも言ってよ。待ってるからさ』

オッサンはのらりくらりとそんな返事をかえしてきた。


「そうじゃなくって!あのね、私、か――」


――風間くんと付き合ってるんで、彼が嫌な気分になるような事したくないんです。

って、言おうとして、私は大慌てで言葉を飲み込んだ。

< 237 / 293 >

この作品をシェア

pagetop