無口な同期とイチャラブ♡オフィス
「だって……」
だって、娘さんの代わりだって。なんか可哀想になっちゃって。でも秘密だって言われて。
言いたいのに言えない。
唐沢さんの娘さんの事も。優吾との社内恋愛も。私は隠し事が下手なのに、言っちゃいけないことが多すぎて。もう言葉なんか出てこないよ。こんなの上手に説明できないよ。
やばい、涙目になってきた。
ウルウルしてしまった顔を隠そうと俯いた私の姿は、優吾にはよけいやましく見えたのかもしれない。
いつだって私は優吾の気持ちは瞳を見てちゃんと受け止めてきたから。俯いて目を逸らした事に、きっと彼はガッカリしている。
「……なんで誘われたこと僕に言わなかったの?」
呆れてる。怒りを通り越して優吾の声には呆れの色が滲んでる。
それが自分でも驚くくらい哀しくて、胸はキューって痛くなるし、鼻の奥はツンとするし、ダメだ。もう泣いてしまう。