無口な同期とイチャラブ♡オフィス
「なつかし~。うちらもここで入社式やったよねえ」
3階の社食にやって来た私は、隣の会議室でせっせと進められている入社式の準備を眺めて隣の優吾に声を掛けた。
「うん。懐かしいね」
今日は昼休憩がいっしょになった優吾が、食堂に向かう足を止めて私に頷く。
3日後には4月1日。新年度になって、もう後輩が入ってくるんだ。早いなぁ。
『平成27年度 入社式』と掲げられた看板を目に映しながら、去年の私と優吾の姿が頭に浮かんだ。
入社式に集まった20人弱の新入社員。その中で1番背の高かったのが優吾だったっけ。
『わ、大きい。あの人と並んだら私、ますますちっちゃく見えるな。……なるべく離れとこ』
そんなのが優吾の第一印象だったなと思い出して、私はぷふっと笑いを零す。だって、今はこんなに優吾の隣に並ぶのが大好きなのに。