無口な同期とイチャラブ♡オフィス


お客様に謝らせてしまって申し訳ない事をした。どう考えても勝手にすっころんだ私が悪いのに。


結局、その後の接客は駆けつけた販売部門の先輩に託して、私は安田さんの肩を借りて事務所へフラフラと向かった。



被害は顎と膝とすねの打撲に掌の擦り傷。それにストッキングの伝線。とほほ。


優しい事務部門のお姉さんに湿布を貼ってもらいながら、報告を聞いて駆けつけた野瀬さんのお説教を、私はしょんぼりと聞いていた。


「そもそも店内を転ぶほどの勢いで走る事がありえないです。今回は自滅で済んだけど、もしお客さんにでもぶつかったらどうするんですか」

「ごもっともです…」

「西島さんも社会人の女性なんだから、ハイヒールでガツガツ走るなんてみともない真似やめなさい。何事ももっと落ち着いて」

「はい……」

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