無口な同期とイチャラブ♡オフィス
「昨日さ、風間くん駅で見たんだけどさ、彼女と一緒だったぽい」
昼休みの社員食堂で唐突に柴木ちゃんがそんな事を言い出して、私はあわや口に含んだ十六茶を吹き出すところだった。
「かっ、か、風間くんが!?」
「うん。あの大きいのは見間違いじゃないと思う。年下っぽい女の子と、仲良さそうだったよ。てか、りん驚きすぎじゃない?」
柴木ちゃんは私が優吾を好きなことを知らない。てか、誰にも言ってないから誰も知らない。
なのに、動揺丸出しであっさり露見してしまいそうになった恋心を私は必死で隠す。
「そ、そう?いやーなんとなく意外だったからさあ」
じつに白々しい誤魔化し方だったけど、柴木ちゃんは特に興味なさそうに手元の冷やし中華をパクリと食べていた。