無口な同期とイチャラブ♡オフィス



メイクしてるのに、顔なんか洗えるはずは無いんだけども。それでも私は素直にお説教に従って洗面所までやってきた。

鏡にはあからさまに曇り顔の自分が映る。

接客業としてこの顔はダメだな。いかんいかん、しっかりしろ私。


自分で自分を励まして、思いっきりニーと口角を上げる。笑顔、笑顔。スマイルよ、りんか。


けれど努力むなしく。溜息ひとつと共に私の笑顔はもろくも崩れ去った。


「気になる……優吾の彼女が気になりすぎるぅ……」


ガックリ項垂れてしまった私だったけど。

「……気になるなら聞けばいいじゃん?」

いつものせっかち魂に突如火が着いた。

< 43 / 293 >

この作品をシェア

pagetop