いつかきっと


最低でしょ?


私もお姉ちゃんになれればいいのに。


そしたら、手をさしのべれるでしょ……?




「小春……騙してて、ごめんな……」



小刻みに震える体で、泣く顔を手でぬぐいながら、すばるは言った。



……こんな季節のせいだよ。



ただでさえ、寒いのに、どうして心まで冷たくなっちゃうの。



私まで涙がでちゃいそうになる。



「騙されてなんて、ないよ……。初恋の人と見重ねてるの知ってたし、私だって……」



私だって、すばるを騙してる。

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