桜の約束
亜美の想い
「___…桜、まだ記憶戻ってないよ」
桜の中にあんたはいないよ、守。
あんたの中に、あんたたちの約束の中にあたしが含まれないように。
今の桜の中にあんたはいないの。
ぶちまけるように言ってしまいたい。
そしたらあんたは泣くの?
あんたは、あたしを視界に入れてくれる?
あぁ、無駄だって知ってるよ。
だからいいでしょ。
ちょっとしたいたずら。
笑って許して。
そんなに優しいいたずらじゃないけど。
悪意も含んだあたしの親切。
だって事実じゃない。
毒々しい思いが言葉になる。
…ぁぁでも。無理。
あんたにそこまで厳しくできないや。
伝えたのは事実だけ。
でも、守にとっては悲しいよね。