桜の約束
ってか、邪魔ってなによ!
邪魔するに、決まってるし!
邪魔なんかじゃないし!
「弱虫呼ばわりも、怖がり呼ばわりも、あたしが許さない!」
カタカタと、全身が震える。
幼馴染なのに、ここまでの視線を向けられたことはない。
冷たい、視線。
こわっ…!
い、いや!武者震いだし⁉︎
「冗談だよ」
緊張を解くように、十夜がゆっくりと柔らかな笑みに変えていく。
「なに怖い顔してるの?守。
桜に会いには行って欲しいけど、分かってるよ、守」
片眉を少し上げて、肩を竦める十夜。
その変わりようがすごい。
「あの日、あの事故を見たのは、守だけだもんねぇ。そして、目覚めて1番に桜と話したのも、守だ」
…やっぱり、全部分かっていて言ってたんだ。
もう、唖然とするしかない。