桜の約束
見つめ合う(?)2人を放置して、あたしはスタスタと歩き始めた。
「あたし帰る。守も早く帰りなよ。
___…どうせ、桜は来ないんだから」
十夜と一緒にいたくない。
もう放っといてやる。
胡散臭い笑顔に、優しくない言葉。
偽善的な恋と盲目的な愛。
吐き気がする。
ほんと、自分勝手でいいよね。
自己チューってやつ?
…自己満ってやつ?
わかんないけど、そういうのキライってことにしとく。
あたしだって自己満するのにそれは棚上げ。
最後にあてつけのように守に言って、あたしは家に帰ることにした。
桜は来ないんだから、守も早く帰ればいいのに。
そう思うけど、きっと守は本当に桜が来るまでただ毎日待ち続けるんだろうなと思う。
来ないのに。