桜の約束




さて、と。



時計を見れば、もう八時だった。



今日は…いや、今日も母さんも父さんもいないから、リビングにおりて適当にご飯を作る。



小さい頃から、父さんは普通に朝から晩まで仕事。

母さんも、仕事好きだからとかで子供よりも仕事を優先する人だから遅くまで仕事。



母さんの代わりにオレの様子を見てくれていたのは、専業主婦である桜のお母さんで、オレのお守りみたいにずっと側にいてくれたのは、桜だった。



最初は、ただ姉を好きになるように。


家族愛でしかない好きだった。



段々、それが恋になって愛になった。



恋と愛の違い?


そうだなぁ。

恋は、ただ好きで好きで、自分だけを見て欲しいと願う物じゃないかなぁ。


愛は、自分を見なくていいから幸せになって欲しい。


つまり?


恋は自分優先。

愛は相手優先。



オレがそう思ってるだけだけど。



ぼーっと上の空でも慣れた動作は出来る様で、夕飯をちゃちゃっと作り終えて、ちゃちゃっと食べた。



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