桜の約束
十夜の願い
朝目が覚めて。
日曜日。
時刻を確認。
…あ、やべ寝過ごしちまったぁ。
と珍しく焦る今日。
ベットの枕の上にある、ちょっとした小物置きに置いた携帯が、メールの受信を知らせていた。
『十夜、守とちゃんと会って話したの。
昨日も言ったけど、もう一回言うね!
ありがとう!』
昨日は、電話でだけだったからねぇ。
ちなみに、オレはその電話の場にいたのでずっと知っていたんだけど。
今日は実際にあって友達から始めるらしい。
初めまして、かぁ。
『本当に、よかったよ』
そう送信して、オレは守に電話をかけることにした。
特に話したいことはないけど。
とぅるるるる…とぅるるるる…
コール音、それが途切れて持ち主の声。
『はい。なんだよ、十夜』
ありゃ、不機嫌だねぇ。
「なんでそんなに不機嫌なの?守」
『え?いや、不機嫌なつもりはなかったんだけど…オレ、不機嫌か?』
「うーん、まぁそれなりに、かなぁ」
本人が不機嫌じゃないって言うのなら、オレの聞き間違いかぁ。