桜の約束
『なぁ。お前さ、何に囚われてんだよ。何を考えてんだよ』
「何に囚われてる?」
『お前の考え方って、固執してて、わけわかんねぇんだよ。
いや、お前の言葉に救われてる部分もあるし、俺がちゃんと考えなきゃならないことを考えさせてくれた。感謝してる。
けどよ、お前って、1人突っ走りすぎじゃねえのか?』
アー、何ガ言イタイノカワカラナイナー。
オレの考え方?
桜中心で…あぁ、もう守は気付いてるんだね。
「あの日の事故だよ」
そう、オレの考え方は事故の日に囚われてる。
桜の事故はオレのせいだから。
オレは桜の幸せを願わないと。
『やっぱりかよ』
さもわかっていたかのように返事を返してくる。
やっぱり、かぁ。
勘のいい亜美はともかく、抜けてそうな十夜は気づいていないと思っていたんだけど。