桜の約束
なんだかよくわからない義務感に、口を動かしたらしい。
いう必要は無い気もするのだが、隠す必要もない。
何より、俺が話さないことで再び沈黙になるのは嫌だったから、過去の記憶をひっくり返して話し始めた。
「俺の名前の由来は、まぁ、普通に…大事な物を守れる男になれって。そういう意味だってよ」
「うん、そうだろうなと思ったよ」
「……予想つくなら、俺に聞かなくてもいいんじゃなかったのか」
「え?」
「いや、なんでもねぇ」
あまり話す必要もなかった気はしてた。
だから、あえて十夜に聞かなくて良かったんじゃないのか?と聞くのはバカバカしい。
ということで、黙った。