桜の約束




「あ、先生来たねぇ。オレはもう座るよ」



「ん?あぁ」



次は数学。


数学の女の先生が、教卓で教科書を並べている。



三つ離れた席に、十夜は着席した。



チャイムが鳴り響いて、ざわざわとしていたクラスメートがゆっくりと静まる。



全員が、散らばったパズルのピースをはめ直すように生徒が席に戻った。



「授業を始めますよ」



黒いショートカットを神経質そうになでつけて、教卓に立つ。



「きりぃーつ

姿勢をただしてぇー

れぇい」



「「お願いしますゥー」」



「ちゃくせぇーき」



やっぱりやる気のない礼をして、授業が始まった。



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