桜の約束
「xに、さっき出した解を代入し…」
先生の説明と、黒板の字。
いつも以上に頭に入らず、入れた先から抜けて行く。
まだ開始五分しか経っていないのに、そうそうに授業を終わらせて欲しい気分だった。
いや、終わってしまったら今は4時間目。
昼ご飯だ。
…桜と。
いや、桜以外もいるんだけど。
それは残念…いや、そうじゃなく。
久々に桜と、だ。
緊張してしまう。
おかしいな。
1時は彼氏だったというのに。
まぁ、彼氏といってもロクに彼氏らしいことしてないしな。
苦笑してしまう。
それでも、彼氏だった。
胸を張って…は言えないかも…?
…いや、まず彼氏らしいってなんなんだ。
そこからだよなぁ。
机に肘をついて、顎を手で支える。
右手で持ったペンが、トン…トン…とノートを叩いていた。