桜の約束
教科書をカバンに適当に詰め込んで、代わりに弁当と財布を持った。
携帯をポケットに入れて、十夜の席に行く。
「どこで食うんだよ」
「どこぞの漫画や小説なら、ここで屋上って言うんだけどねぇ。
生憎、この学校は屋上が開いてないから、亜美達の教室かなぁ」
「りょーかい。
んじゃ、先食堂行ってジュース買わせてくれ」
「わかった」
この学校だけなのか知らないけど、この学校は屋上が開いてない。
だから、食べる場所は教室か食堂、中庭ぐらいが定番だ。
食堂は食堂で買う人ばかりでいつでも混雑気味だから、あまりそこには行かない。
まぁ、食堂にしか自販機がねぇから、寄ったりはするんだが。
廊下を2人で歩いて、食堂を通る遠回りをした。
自販機は残念なことに混んでいて、少し並んだ。
百円で売っているパックのコーヒー牛乳を購入して、自販機の横に刺してあるストローを2本抜き取って、桜達の教室に向かった。