桜の約束
待ち合わせよりも結構早く、家を出ることにする。
「まもにぃ?どこいくの〜?」
心優が、眠そうな目をこすりながら玄関で靴を履く俺を見る。
「遊びに行ってくるよ」
「桜さん?」
…え、俺桜のこと心優に言ったことあったっけ?
「…うん。他もいるけどな」
「…ふぁぁぁ。そっか。行ってらっしゃい」
……んー?
言ったこと…あるのかもしれないな。
「じゃあ行ってくる」
とんとん、と靴の先を地面に当てて、玄関のドアに手をかけた。
ガチャ、とドアが開く。
桜の木までダッシュした。