桜の約束




桜の父さんは、桜の事故を会社に伝え、記憶を失ったことも伝えた。



最近の会社がどこもこうなのか、桜の父さんの勤める会社の上司が特別優しかったのか、どちらかはわからないが、転勤の話は見送り。



桜はここで留まることになった。



桜がここで留まることになったら、より一層俺一人になってしまった約束を守らなければと思うようになる。



留まってくれることは嬉しかったが、こんな形であることは望んでいなかった。



だから今は、俺だけの約束で。



桜の下にいるのは、約束を果たすためだよ、と。



最後の説明を終えた。



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