桜の約束
私には、守と過ごした昔がない。
なのに、昔から。
前から。
好きだと思える。
何でなの?
私、あなたが好きなの。
あなたは、私を好きだと言う。
泣きながら、私のことを好きだと言う。
でも、返事はいらないのだと言う。
かと思えば、好きなのは私であって私ではないって言う。
わかんないよ…自分のことも、他人のことも。
…好きって気持ちだけが、開いた扉の隙間から漏れ出して、だけど肝心の記憶が戻らないよ。