桜の約束




「あれぇ?2人ともそろってどうしたの?」



ふわふわと、十夜は笑って私たちを迎え入れた。



「今日も、母さん達はいないから自由にして行ってよ」



「あれ?今日もいないの?」



…今日もいないの?



昔からいないことは知ってるけど、今日日曜日だし…。



日曜日は割といることが多いはずなのに。



「ん?桜、今日は日曜日なのに…って顔だねぇ。

最近は、日曜もあんまり家にいないんだよ」



「そう」



相も変わらず、十夜の両親は十夜と一緒にいない。



「十夜、さみしくないの?」



「…もう慣れてるからねぇ。
それに、オレには桜がいる。亜美もいる。ねぇ、オレは十分幸せだよ」



「そっか…」



< 179 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop