桜の約束
「で、桜。オレの親がいるかどうかを見に来たんじゃないでしょう?」
「あ、うん…。
教えて欲しいことがあって来たの」
「なるほど。とりあえず、オレの部屋においで」
「うん」
十夜の後に続いて、亜美と共に十夜の部屋へ向かう。
十夜の部屋は、シンプルを通り越してかなり質素だった。
本当に必要最低限しか置かない家具。
それらが、完璧に整えられて置かれている。
「そこ、座っといて。
何か持ってくるよ」
部屋から一旦出て行った十夜は、しばらくして盆にジュースを置いて持ってきた。