桜の約束
「なら私、記憶があるって嘘を付く」
「…桜!」
十夜が、珍しく大きな声を出した。
「だって、仕方ないじゃ無い。
記憶が戻らないんだもん。
小説や漫画とは違うの。都合良く、記憶が戻ったりしないよ…」
声が震え出す。
かっこ悪い。
泣いてるの?私…。
悲しいの?私。
ううん。
悔しいのよ、私。
「…桜、そんなの出来るわけ無いじゃん」
亜美が、信じられない、と言ったように言う。
「大丈夫、だよ。お願い、2人とも。私を助けてね?」
幼馴染の2人なら、任せられるでしょう…?