桜の約束
私は、宣言通り次の日に行くことにした。
月曜日。
放課後。
さぁ、私の嘘を。
昨日もらった指輪を握りしめて、守のいる桜の下に来た。
記憶は戻らない。
剥がれ落ちたポスターみたいに、守の笑顔だけが脳裏に焼き付いて、好きって言葉と約束だけが、私の記憶をこじ開けようと奮闘する。
十夜と亜美に教えてもらったほんの少しの記憶と、一言日記を私の記憶の代わりにして。
一歩一歩歩く。
嘘を固めて。
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